近頃、お年寄りや子供が地域社会から遠いところに追いやられていると、強く思います。
介護や教育に対する人々の関心は非常に強く、手厚い介護や行き届いた教育が希求されています。しかし、介護や教育に対し熱を帯びれば帯びるほど、地域社会と隔絶したものとなってしまうという問題も顕在化し、「心休まる豊かな生活」「人間力を育む豊かな教育」という本来の理念からは遠ざかっているように思われます。
これは、介護や教育を固有の問題として扱うことによって生じる弊害であるのではないでしょうか。
本当の介護・教育にとっては、違った性別、違った世代、違った生活環境・価値観の人々が寄せ集まり、日常を過ごす、『人の対流』が重要であると私たちは考えます。そして、その関係が交差する中で、誰かが誰かの介助をし、誰かが誰かに物事を教授することが自然と行われる、そのようなコミュニティを日本の民家にて形成しようと思い『櫻井』を設立しました。
ここにはお年寄りが楽しく過ごすそばで、子どもたちが一緒になって遊んでいる。古くから楽しまれてきた日本の遊びを、お年寄りが子どもたちに教え同時に癒されていく。そんな風景が日常の中にあります。
一歩、敷地に足を踏み入れれば、みんなが『櫻井』の家族です。
喜びも楽しみも、みんなで分けあって、心温まるコミュニティを創っていきたいと願っています。
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